症例 40) インプラントの術式 無歯槽提(もともと抜歯や、先天欠如によって歯がない所)における、インプラント治療の手順・術式を明瞭に示してみます。 数年前に抜歯をし、入れ歯のご経験もお有りの患者さま。 インプラント治療を希望され、当歯科室にご紹介者とともにご来院いただきました。
ご覧のように、だいぶ歯槽骨や歯茎も吸収してしまい、入れ歯やインプラントを施すのに難しい環境になりつつあります。(左下の奥歯) 下顎の臼歯部(奥歯)での、インプラント治療の最大のリスクは、下歯槽神経への損傷です。 この方の場合、抜歯後6〜7年経過しており、ご覧いただけるように、ひと目で骨頂が退縮し、歯茎が下がっている事がわかります、ね。
インプラントの1次手術をしたあとのレントゲン写真です。 所定の位置に4本、下歯槽神経を損傷させないようにインプラントフィクスチャーを植立しました。 歯茎が細いので、頬までの距離も稼げ、かつ、歯茎のボリュームも獲得できるように、口腔前庭拡張術(A.P.Flap Ope.)も同時に行いました。 ヒーリングアバットメントと呼ばれる、歯茎の形を整えるキャップをしてあります。 およそ2ヶ月で、インプラントフィクスチャーはオステオインテグケート(骨癒着)し、歯茎もボリュームを持ちました。 ここから、印象採得(型取り)し、ラボワーク(技工作業)にて、アバットメントと上部構造を仕上げます。 4本のセラミックスによる臼歯が完成しました。(上部構造) ● この治療の期間はおよそ3ヶ月です。(上顎の場合はおよそ6ヶ月です) ● 通院回数は、 1回目、カウンセリング 2回目、診断 及び オーラルクリーニング 3回目、1次オペ・・・インプラントフィクスチャー植立 4回目、消毒、抜糸、エルビウムヤグレーザーによる治癒促進 5回目、オーラルクリーニング 6回目、2次オペ、インディビデュアルトレーの印象 7回目、印象採得 8回目、アバットメント装着、仮の歯の装着 9回目、最後の印象採得 10回目、セラミックス製の上部構造の装着・・・完成です! ・・・・・・末永くメンテナンスしていきましょう。(30代女性)