インプラントとは、歯を何らかの原因で失ってしまった時、その歯の無い所に人工の歯を入れる1つの方法です。 インプラントの材質は、現在ではほとんどのものがチタンでできています。その表面にハイドロキシアパタイトをコーティングしているものもあります。ハイドロキシアパタイトは歯や骨と同じ成分なので、インプラントの骨へのくっつきをより容易にしていきます。
現代のインプラントのほとんどは、ネジのように骨に対して回転して入れます。その後、埋め込んだインプラントが骨にくっつき、その上に人工の歯をかぶせて噛むのです。「骨にねじ込む」と聞くと怖がる人もいると思いますが、インプラント手術は麻酔をして行われるので通常ねじ込む時の痛みなどはありません。また、「金属を体に埋めて大丈夫なの?」と心配する人もいますが、人間の体はチタンを味方だと思い、骨の方からチタンにくっつこうとします。それだけチタンは生体親和性にすぐれているからです。
インプラントのサイズは大体1cm強の長さで4o程の直径です。ただし、色々な条件に合わせてたくさんのバリエーションがあります。「インプラントでうまく噛めるのかな?」と疑問に思う人もいると思いますが、うまく噛めるどころではありません。1度骨にくっついたインプラントは、大変強い力を発揮します。その上、違和感もほとんどありません。今やインプラントは「噛める」「長持ちする」は常識なのです。我々インプラント専門医の世界では、もっと「見た目が良く」「手術が簡単に」「すぐ使える」などのテーマが話題になっており、「噛める」「長持ちする」は当たり前のこととなっています。もちろん、インプラントも100%ではありません。低い確率ですが、骨のくっつきが悪いこともあります。ただしほとんどの場合は再度入れなおしてもらえるか、フォローをしっかり行ってもらえるはずです。インプラントは高価な物なので、それに対して我々歯科医は通常きちんとフォローを行っています。「ほら、100%じゃないんだ!」と思う人もいるでしょうが、歯科のあらゆる治療の中でインプラントの成功率は一番高いと言われています。今まで、歯につめものやかぶせ物をした人も多いと思いますが、そんな物よりインプラントの成功率は高いのです。これが現代のインプラントなのです。現代のインプラントには多くのシステムがありますが、どのシステムも昔と比べると大変優れていて、うまくいくのが常識なのです。ただ、昔のインプラントをやってうまくいかなかった話など聞くと、誰でもしり込みをすると思います。でも、昔のインプラントと現代のインプラント(オッセオインテグレーション・インプラント)は明らかに違うのです。
今や多くの人達が現代のインプラントの恩恵を受けて楽しく食事をされています。広く情報を集めてみて下さい。インプラント経験者たちは、「あなたもやった方がいいですよ。」と言ってくれると思います。